アレルギー性鼻炎の病態生理と神経反射について、東京大学の近藤健二先生から鼻粘膜の神経制御に関して非常に興味深く、また面白い講演を聞かせていだだきました。簡単にまとめると、鼻というものは神経反射を通じて呼吸を制御している重要な器官であるということです。一般的な疾患としてアレルギー性鼻炎がありますが、これはアレルギーをおこす物質が鼻に入ると神経反射でくしゃみ、鼻汁が生じます。しかしながら中にはアレルギー反応以外の鼻炎があり、辛いもの、熱いものを食べてでる味覚性鼻炎、冷気で生じるスキーヤーズノーズ、光刺激で生じる光くしゃみ反射なるものがあります。このように鼻と全身の神経のネットワークは繋がっており、リアルタイムで呼吸を調節する機能が鼻にはあるのです。

これを応用した治療法として、蒸しタオルで鼻を温めると鼻炎の症状が軽くなる、運動をすると鼻が通る、足を温めると鼻が通るなどが一般的にいわれています。

また、体性感覚―自律神経反射の一部として、一側の腋下の皮膚を圧迫すると、圧迫した側は交感神経が抑制されて発汗が抑えられ、鼻がつまる。対側は鼻が通って発汗が亢進するということがわかっているようです。両側を圧迫すると発汗が抑えられて、鼻は詰まりやすくなるかもということでした。寝ると鼻がつまりやすくなるのは、この機序から、肩甲骨が両方圧迫されて生じるのかもしれないとのことでした。整骨院で念入りにマッサージをするとよく鼻が詰まる患者さんがいるようで、これも神経反射が関係しているようです。

この神経反射を応用しているのが「舞妓の高帯」で、両側の腋下を圧迫することで舞妓さんは発汗を抑えて化粧くずれをしないようにしているようです。昔の日本人はすごいですね。しかし発汗や鼻の通り具合は研究でも個人で差があるようで、帯のみで簡単に神経反射を制御できるところまではいかないようです。是非今後の研究に期待したいと思います。

maikosan