今年は第60回日本鼻科学会が滋賀県の琵琶湖ホテルで開催されました。新型コロナウィルス感染拡大のために去年はほとんど学会に行けませんでしたが、今は感染対策の上、いろいろな学会がハイブリッド(現地参加もしくはWeb参加)で行われています。学会は3日間ありましたが、私は毎日車で日帰りで参加してきました。
今年は「無床診療所における日帰り鼻副鼻腔手術900症例の検討」という演題名で発表してきました。手術を積極的にされている先生方からご質問をいただき、またフロアで他の先生とディスカッションもでき、明日からの診療をまた頑張ろうという気合をいただきました。
さて、コロナ禍のなか、さらに緊急事態宣言がでている間は学会参加に対して(他県の移動に対して)厳しく規制されている病院が多くあります。そのため、座長不在であったり、発表者がおらずビデオが流れるのみの演題も多く、質疑応答も議論もない発表が多くありました。学会はその場で質疑応答があり、またフロアでその先生をつかまえて質問したりできるのでとても有意義なのですが、ちょっとした疑問が残るまま、、というものもありましたで残念でした。
さて、私の覚え書きにもなるのですが、今年の学会で気になったものを少し、、、
①sleep surgery:suture techniqueで軟口蓋を前上方に挙上させることができ、いびき・無呼吸の治療をしてとても有用なようです。当院でも今後取り入れることができないか是非検討したいと思っています。
②DALMA法:慈恵医大の大村先生が考案した上顎洞へのアプローチの方法です。これも、今後当院で取り入れていきたいと思っています。
③鼻腔タンポンの工夫:ナゾポア、アルギン酸ナトリウム粉末製剤など新しい素材を使用した症例を発表されていました。費用対効果を考え、当院でも取り入れたいと思っています。
その他いろいろなアイデアをいただきました。鼻づまりや鼻の生理、また手術に関し、当院でできる範囲でですが今後も学術的に検討できればと思っています。