鼻中隔が曲がる鼻中隔弯曲症
左右の鼻の穴を隔てる板状の組織を「鼻中隔」と言います。鼻中隔は軟骨と骨からできています。多少なりとも誰にでも鼻中隔の弯曲はあるのですが、その鼻中隔が曲がっていることで鼻詰まりなどの症状を伴い、生活に悪影響を及ぼしている場合に「鼻中隔弯曲症」と診断されます。左右どちらかに曲がっていたとしても、症状がなければ鼻中隔弯曲症の治療は必要ではありません。
鼻中隔弯曲症になる原因は?
身体の成長と共に鼻中隔を構成する骨・軟骨も大きくなりますが、その発達のスピードの差により、ズレが生じ、弯曲します。
その他、格闘技やラグビーなどの激しいコンタクトと伴うスポーツ、喧嘩、事故などで鼻を強打して鼻中隔が曲がることもあります。
鼻中隔弯曲症の症状は鼻づまり
代表的な症状は、鼻づまりです。鼻中隔の弯曲が強い側ほど、鼻づまりの症状がひどくなり、下記のようなケースを引き起こすこともあります。
- 頭痛
- 嗅覚障害
- 鼻血が出やすい
- 睡眠不足になる
- 口呼吸をするようになる
どんな検査をするの?
直接、あるいは内視鏡による鼻の中の視診に加え、CT検査などを行います。鼻づまりなどの症状の有無、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎などの病気の有無を確認し、診断します。
鼻中隔弯曲症の治療は?
鼻中隔弯曲症の治療においては、鼻づまりの症状を抑えるため薬物療法を行いますが、十分な効果が得られないケースがほとんどで、根本的に改善するために手術が第一選択となることがほとんどです。
鼻中隔弯曲症の根本的な治療~鼻中隔矯正術~
鼻中隔弯曲症を根本的に改善するためには、手術が第一選択で、鼻中隔矯正術と呼ばれる手術を行います。
一般的な鼻中隔弯曲症の場合
鼻の穴に入ってすぐのところで粘膜に切開を加え、鼻中隔粘膜を剥離した上で弯曲の強い箇所を切除し、真っ直ぐに矯正してから縫合します。
前方の弯曲が強い場合
鼻中隔の軟骨の前端に沿って切開を加え、鼻中隔粘膜を剥離し、鼻中隔前方・上方の軟骨を温存したまま鼻中隔後方の軟骨を切除します。前方の軟骨をまっすぐに矯正した上で、後方の鼻中隔軟骨を調整し、鼻中隔軟骨の前弯部を補強する形で縫合します。