鼻から膿が出た、鼻から膿が止まらない、歯が痛い
鼻から膿が出たり、膿が止まらず、さらに歯の痛みを伴う場合、副鼻腔炎(蓄膿症)や歯性感副鼻腔炎などが疑われます。これは、副鼻腔と歯の炎症が関連して発生する症状で、感染や細菌の増殖が原因となることが多いです。放置すると症状が悪化する可能性があるため、鼻から膿が出た、鼻から膿が止まらない、歯が痛い場合には早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
鼻から膿が出る原因と考えられる病気
風邪
風邪をひくと鼻の中の粘膜で白血球が細菌やウィルスを攻撃し、死んだ細胞や組織が集まったものが膿となり排出されます。
感染
鼻の中をさわったり、傷がついたりするとカサブタがつき、膿となってでることがあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、副鼻腔(鼻の周りにある空洞)が炎症を起こし、膿がたまる状態です。副鼻腔の膿が持続して排出されて鼻から膿がでることがあります。
歯性感染
歯の感染が原因で、副鼻腔炎を引き起こすことがあります。虫歯や歯周病、特に歯の根尖に炎症が進行すると、感染が副鼻腔に広がり、副鼻腔内に膿がたまることがあります。歯の感染による副鼻腔炎は一側性であることが多く、また異臭を伴うことが多いです。
腫瘍
腫瘍が副鼻腔の換気口をブロックすることで副鼻腔炎が生じて膿がでることもあり、また腫瘍が壊死して膿がでることもあります。
鼻から膿が出る場合の検査
問診・視診
いつごろからどういった症状があるのかで診断がつくこともあります。また、診察時には鼻鏡や内視鏡を使って鼻の中を診察します。
画像検査
必要ならレントゲンやCT、MRIなどの画像検査で膿がでている原因を調べます。
採血
現在の炎症の程度や、アレルギーの有無を調べるときに採血をして調べます。
細菌検査
膿を検査用の綿棒で採取し、培養を行うことで細菌の種類を調べます。細菌が検出された場合にはどの抗生物質が効くかしらべることがあります(感受性検査)。
鼻から膿が出る場合の治し方
抗生物質
細菌感染が原因と考えられた場合、抗生物質を服用することで軽快します。
鼻洗浄
生理食塩水で鼻の中を洗浄することで膿が排出され、鼻粘膜の自浄作用が回復して軽快することがあります。
鼻をさわらない
鼻の中に指をいれたり、テッシュをいれたりするとそれが感染の契機となることがあり、鼻の中をさわらないことも重要です。
禁煙
喫煙すると鼻の機能が低下し、膿がたまりやすくなります。膿がでている間は禁煙し、十分に休息することも重要です。
手術
副鼻腔炎が慢性化した、鼻ポリープがある、虫歯が原因だったが抗生物質の服用でも治らない、腫瘍があるなどの場合は手術治療が有効になります。
鼻から膿が出た方は早めに耳鼻咽喉科にご相談ください
前述通り、鼻から膿が出る場合は、副鼻腔炎(蓄膿症)や歯性感染などの可能性があります。
放置すると症状が悪化し、慢性的な状態に進展する可能性もあるため、早期の診断と治療が重要です。特に、痛みや発熱を伴う場合は早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。