くしゃみについて
くしゃみは、鼻に入った異物を除去するための体の防御反応です。鼻の粘膜にある知覚神経が刺激されておこる呼吸の反射です。また、くしゃみをすることで全身の筋肉が収縮することで体温を上げているともいわれています。
こんな時にくしゃみが出ませんか?
- 風邪を引いた
- 掃除をしているとくしゃみが止まらなくなった
- 調味料の粉を吸い込んでしまった
- 動物と触れた
- 花粉が舞う時期に外に出歩いていた
- 寒い季節に暖かい部屋から出た
くしゃみが止まらない原因
風邪
風邪をひくとくしゃみがでます。鼻汁や鼻の血管がむくむことでくしゃみが誘発されるといわれています。
アレルギー性鼻炎
くしゃみが何度も出る場合はその原因としてアレルギーが関与していることが多いと思われます。
ホコリ・ダニ・花粉などのアレルゲンが鼻に侵入してくると、それらを体内から排出させようとして免疫機能が働くことをアレルギー反応といいます。アレルギー反応がおこることでくしゃみが出てアレルゲンを排出しようとします。
くしゃみを何度もして肋骨にひびが入ることもあります。
アレルゲンが侵入するとヒスタミンという物質が粘膜で増えます。
このヒスタミンがくしゃみを誘発します。治療方法は、アレルギーを引き起こすアレルゲンの除去と回避が最も重要です。
薬が必要な際は抗ヒスタミン剤、ステロイド点鼻薬などを組み合わせて行います。
薬剤の作用機序からは抗ヒスタミン剤は比較的即効性があるため、どの医療機関でも処方されることが多い薬剤です。
抗ヒスタミン剤は第一世代、第二世代と分類されており、第一世代は鼻水を強く抑える抗コリン作用のある薬剤です。
抗コリン作用は眠気、口喝を引き起こしやすく、緑内障や前立腺肥大があると増悪させます。
市販の風邪薬には抗コリン作用が入っている薬剤が多いので服用する際は注意が必要です。
内服薬や点鼻薬でも効果がない場合や長期間服用しなければならない場合、副作用が出て服用できない場合はその他の治療が必要になります。
体をアレルゲンに慣れさせる免疫療法、鼻の粘膜を変性させてアレルギーを起こしにくくさせる鼻粘膜焼灼術、そして鼻水の分泌・知覚神経を抑える後鼻神経切断術などがあります。
それぞれメリット、デメリットがありますので治療を選択される場合は耳鼻咽喉科の専門医に確認されるとよいかと思います。
血管運動性鼻炎
鼻の粘膜は自律神経で調節されています。この調節のバランスがとれない病態を血管運動性鼻炎と呼ばれます。
例えばアレルギー性鼻炎など特定の物質による反応ではなく、寒暖差やホコリ、ストレスなどが原因になるといわれています。血管運動性鼻炎に対する有効な治療方法はあまりありません。
アレルギーに対する薬で代用することもありますが、効果のない場合もあります。
自律神経反射の異常で起こりますので、鼻の粘膜を変性させて過敏性をおとす鼻粘膜焼灼術やそれでも無効な場合は鼻水の分泌・知覚神経を抑える後鼻神経切断術を行うこともあります。
くしゃみが止まらない場合の検査方法
アレルギー反応が疑われますので、アレルギーに対する検査が行われます。鼻汁中の好酸球数の検査、血液検査などが行われます。鼻腔誘発テストといって、アレルギーの元になるものを鼻に入れて反応するか見る検査もあります。この中では血液検査が一般的です。
くしゃみが止まらない場合の対処法
くしゃみが止まらない場合の対処法を原因ごとに記載致します。
風邪が原因の場合
・体を十分に休める
・体を冷やさないようにする
ハウスダストが原因の場合
・お部屋をこまめに掃除する
・寝具やカーテン、マットなどをこまめに洗濯する
・ペットはできるだけ屋外で飼う
花粉が原因の場合
・花粉の飛散が多い日はできるだけ外に出ない
・外出の際にはマスクや眼鏡をする
・上着に花粉が付いた状態で家の中に入らず帰宅時には外で上着の花粉をはらう
動物が原因の場合
・できるだけその動物に接さないようにする
・屋外でペットを飼う
・ペットが入らない部屋を作る
寒暖差が原因の場合
・特に手足に温度差がでないように、手袋や靴下を使用する
・マスクを着用する
・適度な運動を習慣的に行う